http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/804197.html
ドナーとして骨髄提供をしたことのある立場から思うことをいくつか。
安易な登録
日本人の特徴としてドラマや有名人が呼びかけるとこのテの登録率は急激に上昇する。そして急激に元に戻る。そういう人たちは、おそらく「かなりのリスク」があることをまともに考えちゃいないので土壇場で断わることになる。これはもうドナーが悪いというしかない。
実際に提供をした身からすると、全身麻酔はキツいし、会社はわざわざ有給取って休まねばならんし、良いことなど一つも無い。究極のボランティアなんて皮肉られるぐらいのことはある。
その辺をわからずに登録し、にもかかわらず断われば、移殖を心待ちにする幾千の患者にどれだけダメージを与えるか。よく考えてほしい。
一つ断わっておくと、俺はドナー登録を呼びかけもしなければ、登録しないことを非難するつもりもない。己でリスクを判断し、その結果登録する/しないを判断するという個人の問題である、と言いたいだけ。
54 名前:マスター[sage] 投稿日:2006/09/22(金) 17:49:43 ID:1RxojhL50
別に怖いとか、割りに合わないと思うなら登録しなきゃいいだけ
問題は、雰囲気で登録しておいて患者に希望をちらつかせながら、
いざという時にビビってやめるやつそんなんじゃ、患者もいっそ適合者がみつからないほうがマシだろうに
日本人的な価値観
121 名前:空気嫁[] 投稿日:2006/09/22(金) 18:08:52 ID:1lphfcRf0
生きてる内に、親族でもねー赤の他人に骨髄やるわけねーべよ。
この「家族を大事にする」部分はすごく日本的な価値観だと思う。俺もそう思うし、両親にもこれは言われた*1。
これはこれで悪いことだとは思わないが、ドナー登録の増加を阻む要因であることは確か。中国や韓国なんかでやったらもっと率は悪くなると思う。
対して欧米は日本とは比べ物にならないほど登録数も移殖件数も多い。見知らぬ誰かを救うことができることに、赤の他人に〜と考えるよりも、喜びを感じる人が多いんじゃないだろうか?この辺はキリスト教の恩恵が大きいと思う。隣人愛って言うのかね。
とはいえ、文化の違いは以下で述べる問題点に比べれば大きい問題には思えない。
制度の問題点
日本でドナーとなる場合、有給を5〜7日使う覚悟で挑むしかない。対して欧米は・・・向こうは有給=病欠という使い方をしないから、よっぽどアレな企業でない限り補償はあるだろう。
俺自身もそうだったが、日本人は病気でもなんでもない私事のために有給を使うことにすごい後ろめたさを感じてしまう。はっきりいってこれは異常。日本人の文化的気質、とか逃げないでこの辺の制度を全面的に変えていかないとダメだろう。
実は、この制度面の問題は表層的な現象に過ぎないと思う。
最大の病床
正岡徹理事長は「目標登録数を増やすことと、ドナーの質を上げていくことを総合的に考えたい」
目標登録数を増やす?ドナーの質を上げる?寝言は寝てから言ってください。こいつは何も本質が見えてない。というより、見てみぬ振りなんだろう。休業補償や、ドナーと患者の面会を認めない点など、制度に明らかな欠陥があるのに議論すらしていない。
日本人最大の欠点「一度決めた制度を何がなんでも維持しようとする」がドナーが増えない/移殖件数が増えない最大の原因だと俺は思う。
おそらく「ツマラン制度改訂で何か問題が起きて俺のポストが無くなったらどうしてくれるんだ」って考えなんだろうね。そして教科書通りの問答を繰り返しマスコミや世間が騒がなくなるのをじっと待ち、次世代に問題を先送り。想像でしかないが、実態はそんなもんでしょう。
日本でドナー登録数が増えない原因はかなり根深いと思います。
*1:それでも何故俺は提供したの?って話は割愛