kagamihogeの日記

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コンピュータは身近になり、誰もがその恩恵を受ける時代になるのかな

ネタ元:ホワイトカラーはみんなプログラマーになる仮説 - Blog on Publickey

その昔― 1980 年前後くらいかな?―いまやパーペキに死語と化してはいるんですが EUC(End User Computing) という概念が流行った時期がありまして。これは何かっていうと、コンピュータの専門職じゃない人でも直接コンピュータ使って仕事しちゃえばよくね? というものです。なんでこうなったかっていうのは IT用語辞典 に時代背景が書いてあるんですが、計算機の能力向上・安くなって一人一台が現実的になってきた・アプリの充実、ってとこですかね。

この概念が流行るもうちょっと前の時代は、給与計算なんかにコンピュータが使われる程度だった、という時代背景があります。パンピーが使えるコンピュータは電卓が精々で「カンピュータ」なんていうオヤジギャグがブイブイと幅を利かせておったわけです。コンピュータなんかより俺様の経験とカンでエイヤと計算したほうがよっぽど正確だわい、とかそんな古きよき昭和時代。情報システム化投資に力入れてるとこはやってたんでしょうけど、大勢は(今からすると)非常に限定的な使われ方だったと思います。

でまぁ、コンピュータってのは処理能力向上と低価格化によりどんどん身近な代物になってきたわけです、もちろん現在進行形で。となると、自分たちが必要とする情報処理は自分たちでやるのがよくね? と考え始めるのも当然というか歴史の必然なわけでして。

ちなみに、この流れの中でいろんな取り組みがされて、COBOL も当時はその急先鋒だったりしました。「COBOL は英文法に沿った書き方がされているので、特殊な訓練を受けたプログラマでなくてもフツウのビジネスマンがプログラミングができるようになり、生産性の向上に寄与するであろー」とか真剣に議論されちゃったりしてました。

おっと COBOL の悪口が言いたいわけではないのでそこまでにしておいて。能書きが長くなったけど「ホワイトカラーはみんなプログラマーになる仮説」は仮説でもなんでもなくて、個人的には事実だと考えています。ホワイトカラーってのは、モノスゴク抽象的に言えば情報を取り扱う仕事であり、情報処理機器であるコンピュータとの相性は抜群なので。なので、コンピュータが安くなり、処理性能が上がり、扱える情報の質と量が上がれば上がるほどホワイトカラーがプログラマ化するのは必然でしょう。

経営(というかホワイトカラーの仕事全般)と情報システムの関わりの歴史は調べると中々面白い。代表的なとこだと、経営情報システム(MIS)意思決定支援システム(DSS)戦略情報システム(SIS)、ってとこでしょうか。ざっと読むだけでも、年代を追うごとに「経営にもっとコンピュータ活用しようぜ」って機運が高まって来てる、情報システムの歴史がわかります。まぁハード売りつけたいベンダーの思惑とかも絡んでるんで状況はもっとぐちゃぐちゃなんだけどw*1

ただ、コンピュータは情報を扱うものである、ってトコは本質的にずっと変わってないように思うんだよね。しかし一方で、情報として扱えるものはどんどん増えていっている*2。例のエントリも中々に好例で、マクロをちょちょいと書くだけでちょっとしたレポーティングをやってみせている。ほかにも例なんかいくらでもあるんだけど、テレックス使ってたころは末端要員全員が電子メールアドレス持って通信するようになるとは考えられなかったし、ネットに目を向ければ今や What are you doing? すら情報として扱える時代になってしまっている。

最近のベストセラーであるウィキノミクス*3を読むと、ホントーにビビる事例がいくつも紹介されてる。計算機と通信が発達し、情報として扱えるものが増え、かつやり取り可能な敷居が下がった結果、マクロでちょいちょいを越えた仕事が出来てしまう時代にもうなりつつある、らしい。無論、必ずしもバラ色の未来でないだろうことにも言及されているのだけど……

でまぁ、こゆ議論になると、プログラマの仕事無くなんの? 的なことになるんだけど。俺は無くならんのじゃないかなぁ? と考えています。希望的観測も込めてw コンピュータって本当の意味で使いこなすのってやっぱり大変な代物だと思うんですよ。COBOL は事務処理では大成功を収めたけども、非プログラマの事務員や役員がコード書けるようになったかというとそうはならなかったわけで*4

なので、コンピュータが便利になればなるほど、出来ることが増えれば増えるほど、逆にちゃんと使いこなすのが難しくなるのではないか、と。となると、プログラマが苦労をしょいこむことで非プログラマが楽になれるようにする仕事、ってのは無くならないんじゃないのかな? と。

まーかといって今日明日でいきなりプログラマの仕事がそんな崇高なモンになるとは思っちゃいないし、タブン将来もソレナリにドロドロした仕事してるんだろうけどw なんだかんだいって大抵の開発現場ってのはしっちゃかめっちゃかで、受託開発の現場ってのはもうちょっと、こう、なんだね……もにょもにょ。そしてかくいう俺自身が今日も謎のドキュメントを Excel で……メシが、かゆ うま……。……愚痴っぽくなってまいりましたが、んー、まー、なんてーか、カスみたいなコード撒き散らしてもとりあえず日々の暮らしはなんとかかんとかなっちゃったりしなかったりするんで*5、そこんとこのハナシについてはまた今度。

それはさておき。話はちょい飛躍しますが。

これは私見なんだけど、これからエンターテイメントの分野もまたピーキーなコンピュータの専門知識欲するようになるんでないかな、と思ってます。初音ミク(専門外だけど並のプログラマではアレは作れんだろうし)*6、ニコ動(何だかんだいって計算機と通信の限界に挑んでる、技術的にも政治的にもw)、ゲーム業界(3D とか人工知能とか。シムシティやら HoI*7 やらみたいなガチなシミュレーションに限らず、人間くせぇ振る舞いをするコンピュータ相手のゲーム的な何かってまだまだフロンティアじゃねーかなーと)……んー、他何があるかな。こういうの作りこむのって、情熱と同じくらいコンピュータに関する素養が必須だと思うのですよ。

これからコンピュータが作り出す、ないし、変えていく未来ってのはどんなもんになるんでしょうかね。わくわくしますね?

*1:業務アプリというかシステム開発で金儲けしよう、って考えは意外と歴史浅いハズ。ソフトに比べるとハードの値段の方がベラボウに高かったから

*2:ちょっと厨二病っぽい言い回しにしてますが「ウィザーズ・ブレイン」大好きなのでw

*3:ってもう 2007 年の本なんだな……最近じゃねぇぇ

*4:COBOL そのものに関しては俺自身そんなに当事者じゃないので間違ったこと書いてるかもしれないです。なので、当たらずとも遠からずだとは思うけど、真に公正な評価が出来ているとは思ってないです

*5:金融恐慌でごらんの有様だよ!でかなーり苦しいのもまた事実ですが……

*6:vocaloid じゃないけど MMD(MikuMikuDance も)強烈だよね

*7:Hearts of Iron という歴史戦略ゲー……という表現であってる?