kagamihogeの日記

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伊勢丹一流のサービス

先日、伊勢丹になんとなく服を見に行った。結局買わなかったんだけど、なんか伊勢丹って他の百貨店に比べるとちょっと違くね? という印象を抱いた。結局その違和感は何なのかよくわからなかったのだけど、書店で本書を見かけてタイトル買い。伊勢丹ヨイショな提灯記事っぽい論調ではあるものの、俺の違和感を解消するのには充分な内容でした。

カンタンに言ってしまえば、一流のサービスとして伊勢丹を伊勢丹たらしめているのは「顧客視点」の一言に尽きる。しかし、その徹底振りが半端ではない。伊勢丹のあらゆるレイヤーにおいて、顧客視点とは何なのかが貫かれている。その姿勢が、伊勢丹になんとなく服見に行った一見の俺ですらちょっとすごくないですかこの百貨店、と覚えさせてしまうほどの凄みの正体である。

各社員やアルバイトのレベルから全社のレベルまで、顧客視点という一つの目標に向えているのが伊勢丹のすごいところ。たとえばコレが並の会社なら顧客視点というのがお題目化しちゃったり、各セクションごとに意識の差が生まれたりそれがそのまま力関係の差になってしまってたりする。が、伊勢丹はあんまそゆことが無いようで、いっそ清々しいまでにお客様の方へ向くことに組織が特化している。具体例に興味沸いた人は本書手にとってもらうとして、そこまでやるかフツー? みたいなことが平然と書かれていてビビる。お客様にサービスを提供する、ということに対する解を、ここまでシステム的に築けるものなのか、と驚きが大きかったです。

とはいえ伊勢丹も組織なのでちったぁ社内の勢力争いみたいなのはあるんだろうけど。やはり完璧かというとそうでもないらしく、著者も苦言を呈している箇所はある。しかし、そうしたフィードバックを取り込んで更に発展できるだけのシステムを伊勢丹は内包してるので、アンマリ問題にはならないんでしょう。

伊勢丹スゲーって言葉しか出ない一冊でした。

伊勢丹一流のサービス (経済界新書)

伊勢丹一流のサービス (経済界新書)