kagamihogeの日記

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食品〈2012年度版〉 (最新データで読む産業と会社研究シリーズ)

ここのところ日本の農業に関する本をチョイスしているのだけど、そこで日本の食品業界について全般的な知識が欲しくなった。未知の分野の学習なので、さて一体どんな本を読むべきか……と書店をウロウロしてみたところ、就職活動コーナーで目に留まったのがこの一冊。食品業界を目指す学生向けの本なんだけど、食品業界とは何ぞやを知る上では中々良さそうだったので買ってみた。大型書店の強みはテキトーに歩くだけで色んなジャンルの本が目に飛び込んでくることですよねぇ。

まず最初のページにある食品業界研究クイズにマッタク答えられないのに軽くヘコみつつ、いやいやそれを是正するためにこの本読むんだからと気を取り直す。まずは食品業界を取り巻く事情から始まる。ここで重要なキーワードは幾つかあるものの、一際目を引いたのは安心と安全。老舗のブランドだからといって、大手メーカーだからといって、安心・安全な食品を提供しているは限らないことが次々と発覚したのがここ数年の流れ。そのため、日本の消費者の目は輪をかけて大変な厳しさになっている。食品業界は不況に強いと言われてるらしいのは本書で知ったことだけど、今後もそうとは限らないことが伺える。食品は毎日目にして口にするものだけに、そうそうカンタンに潰れる業種でないのは確か。しかし、毎日関わるものだけど何らかの不祥事を起こせば、負のインパクトは大きい。

その次に、食品業界の中の勢力圏についての解説。分類していくと、一口に食品といっても意外と色んな種類があるのか理解できる。各分野ごとの特徴やトピックが簡潔にまとめられている。続けて食品業界のしくみと仕事について。この辺りは読んでナルホドといったところ。更に続けて日本の食品業界の歴史をざっと見る章がある。戦後何もないところから少しずつ近代工業化し、バブル期のなんでもありな季節を越えて、時代は顧客が食品に対してより高度な要求をするようになったことが書かれている。食品の位置付けが、明日を生きるための糧から、毎日をよりよく生きていくための手段へとレベルアップした、といえるでしょう。

その後は主要メーカーの解説で、この辺はどんくらいの規模の会社がどんだけいて売上がどうで、ってとこがサラッとあり、食品業界の諸先輩がたの紹介記事もサラッと見て。残りは待遇や勤務条件、求める人材像などこの辺は俺には関係ないので飛ばし。

最後にちょっと面白かったトピックを紹介。就職対策の一環としてブログを書くのを薦めているのがいかにも最新 2012 年度版らしくて良いなと思いました。アドバイス内容も的確で、ブログを公開履歴書のような形で使え、といったことが書かれている。

食品業界に就職を目指す学生だけでなく、食品業界の知識を得るとっかかりにも使える一冊でした。

食品〈2012年度版〉 (最新データで読む産業と会社研究シリーズ)

食品〈2012年度版〉 (最新データで読む産業と会社研究シリーズ)