ドリフターズ 1巻

書店で平積みされてるのを見たとき、またヘンなタイトルのマンガが出ているなーと流してしまった。後日もう一度書店に来たときやっと著者に眼が言った。平野耕太氏じゃないですか。おお kagamihoge よ スルーするとは なさけない。ヘルシングでお馴染みな人にはお馴染み、氏のマンガには独特の魅力がある。本書も他聞にもれず屈指の面白さを誇っておりました。

本書の内容を一言で言うなら。中二病を十年ぐらい煮詰めて煎じたような濃密さを醸し出すマンガ。歴史上の偉人たちをファンタジーな世界にかきあつめて戦争させよう……なんちゅう素晴らしい発想だろう。歴史 SLG や戦略級 SLG 好きなら誰でも一度は妄想したことがあるはずの願望。自分の好きな武将やら偉人やらを一堂に会して戦争させてみてぇー、的な欲求。そこで本書はというと、著者の（たぶん）独断と偏見で選ばれたあんな人やこんな人がとりあえず殺したり奪ったり死んだりするマンガになるのだと思います。まだ主要キャラは死んでないけど、きっと死ぬよねぇ。

ただ、非常に癖の強い絵柄であるし（それが魅力の一つなのだけど）、歴史上の人物を描くことに対する違和感を抱く人もいるだろうから、本書があう・あわないはソレナリに出てくるとは推測される。仕方ないね。「俺の知ってる○○と違う！」「○○はそんなこと言わない！」とか方々で言われそうな気がしないでもない。だがそれがいい。

ドリフターズ 1 (ヤングキングコミックス)