本書の中で筆者も書いているけど、ここまで書いていいのか、ってぐらいクビについて書かれている。筆者のクビに対する価値観、外資系でのクビをする人としての経歴、クビの方法論と解説、そして、クビがどれだけ社会に雇用の流動性を与えるか、が主な内容。2ch 的な言い回しするなら、筆者にならクビにされてもいい、みたいな感覚を抱かせるアツイ一冊。
日本では会社 = 人生な価値観なのでクビに対して否定的なニュアンスがとても強い。しかし、外資系ではそんなことはないこと。それは、仕事への接し方がプロフェッショナルという考え方に基づいていること。クビと中途採用はワンセットなのが、リストラの本来の在り方であること、などなど。クビという一つの仕事から、ここまで考察できることに驚き。雇用の流動性がキーワードになって久しいけど、そのあたりについて色々勉強になったと思う。
そのため、筆者の団塊世代に対する怒りは相当なもの。本書のラストでは団塊世代に対する容赦なき弾劾が行われている。
3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代 (ちくま新書) を昨日読んだばかりだったので非常に興味深い一冊になった。
- 作者: 梅森浩一
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2004/10/15
- メディア: 文庫
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