少し前に仕事で突然にjQueryを要求される場面があった。納期的に習熟している時間がナッシングでまさしく作りながら覚えるという状態だったが、結果としてはなんとかなった。というのも、jQueryの作りが実に良く出来ていて、とりあえずなんとか使えるようになるまでの学習曲線はかなり低い。極端なことをいえば、セレクターさえ理解してしまえばなんとかなる。あとは、jQuery 日本語リファレンスのAPI一覧をざっと眺めて、細かいところは適宜google先生に聞きながらやればなんとなかる。
しかし、こういう場当たり的な知識吸収は余り宜しくない側面がある。必要な技術をその都度仕入れるという点では効率的なのだが、網羅的とは言いがたい。何が起こるかというと、ポロポロと取りこぼしが起きてしまう。まぁそれでもブツは作れるのだから、些細な問題かもしれないが、気になるのがプログラマの性というもんである。
それで、俺が本書を読んで、あーそういうこと、と気付かされた点について。メソッドチェーンでの簡略な書き方、セレクタのトラバース系の概念を図でわかりやすく説明されててなるほどと思ったこと、jQueryオブジェクトの役割(本書の性格上軽くしか説明はないけどJavaなんかのオブジェクトとはちょっと違うもんですよ、というのはjQuery触り始める前に知っておきたかった)といったところ。どれも、一度知ってしまえば、まぁそっすね、というものなんだけどね。
また、同じ要素を持つセレクタは変数にして使いまわしましょうね、などのパフォーマンスを意識した記述もチラリとではあるものの触れられていて、良いなぁと感じた。開発してる途中でコレに気付いて必死で書き直した、なんて経験をしたので余計に好感を覚えやすいだけかもしれませんが。
そういう訳で一通りの知識を図とソースコードと判りやすい解説で書いてくれてるこの本は良く出来ています。10日で〜とあるけどある程度の経験があれば1日あれば読み終われるでしょう。自分の場合、先に書いた事情でjQuery有る程度使ってからこの本読んだのと、SwingやActionScriptでイベントドリブンやECMAScript的な関数に関数を渡すとかその辺には抵抗が無かったので、さくさくと読み終えられました。もちろん、本書のターゲットはそうでない人たち向けなので、jQueryよくわかんないんで何か一冊超絶入門書が欲しい、という人はこの本買ったら良いと思います。
- 作者: 山田祥寛
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2011/06/25
- メディア: 大型本
- 購入: 6人 クリック: 57回
- この商品を含むブログ (7件) を見る