kagamihogeの日記

kagamihogeの日記です。

よくわかる商社

本来的には就職活動する学生とか向けの本なんだろうけど、なんか面白そうだったので買ってきた。この本は、まず商社が現在おかれている状況および近年の動きに始まり、次に各商社におおよそ共通な全般的な知識の解説に続いて、商社の組織構造・機能と役割、各部門の概要、海外展開の手法、日本にいて商社がどのように成立してきたのかの歴史的背景、といったことが書かれている。この本読むまでの俺の商社ってものに対する印象は、何かモノをどこかから仕入れてどこかに売り渡す、という取引の仲介を主たる業務としてるのかな、程度のものでしたが、この本読んで、まぁなんとなく商社ってこういう仕事してんのか、という知識が得られました。

商社の主な機能はどっかからどっかに商品を取引させる、この本ではトレードと称されていることが主要な事業なのは今は昔。取引だけでは採算が悪いつって、商社自ら投資に乗り出しかつリスク管理をきっちりやることで体質改善を図る。連結経営の導入、資金調達先の債権から株式への移行などなど、バブル期頃から必死に生き残りをかけてアレコレやった結果として商社の統廃合が進んだり組織的変化が進んだり、てのが伺える。

とはいえ商社が安定かというとそうでもないらしく、色々と課題があることも本書の最後で語られている。例えば、商社が本当に投資銀行化してしまったら、投資を主体とする金融系に太刀打ちできるか疑わしいし差別化要因が無くなるわけで、歴史的にはトレード機能で培ってきた情報収集能力や色んな企業を商社をハブに位置付けてまとめる能力が生かせなくなることもあり、商社の試練の時はまだまだこれからだ的な閉め方をしている。

最新〈業界の常識〉よくわかる商社 (最新「業界の常識」)

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