kagamihogeの日記

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なぜ投資のプロはサルに負けるのか

書名からしてかなり釣りっぽい感がビンビンであり、実際読んでみると著者の煽りくさい文体からしてうさんくささ炸裂ではあるのだが、そのぶっちゃけトークが意外にも面白い。世に数多とある投資関連本と同じく、この本読んだからといって金持ちにはなれねーよ、との断り書きはしたうえで、書名のなぜ〜に挑むのがこの本の趣旨である。

書名を関してる謎に対する本書の回答は、ごくごく端的に誤解を恐れずまとめれば投資はギャンブルだから、ということになる。ただし、競馬や宝くじと異なり必ずしも胴元と言えるようなものがしっかり存在するわけでは無いので、投資=ギャンブルというのはちょっと語弊がある。本書でも繰り返し書かれているが、未来を予測することは出来ない、という点においては投資はギャンブルと変らず、よってサルにも負けることがある、というのが著者の主張である。

金融システム関連に対する各種の考察や数式モデルを用いての説明はあるものの、著者自身が「現実的じゃねーし」とぶっちゃけてるのがこの本の面白いところ。内容が役に立つかどうか、正しいかどうかはともかくとして、このはっちゃけ感をたのしむだけでもこの本を読む価値はある。

各種の本音トークをしながらも、現実的なアドバイスを盛り込んでいる点も心憎い。上司に叱られながらでも会社に行け、などのやや毒味があるもののユーモアが利いてる言語チョイスも面白い。

投資を主な生業としないなら余剰資金でやれ、インデックス投資を基本に分散投資をすべし、みたいなとこは他の投資初心者本と同じことが書いてある。ただまぁ、どっちかってーとその辺の、投資の具体的なアドバイスの記述についてはオマケで、著者の身もフタもないスタイルのテキストをテキトーに読み流すのがこの本の楽しみ方かと思います。