kagamihogeの日記

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Adobe Flex 3 & AIRではじめるアプリケーション開発

業務アプリケーション開発で Flex やることになったら、とりあえずこの一冊を買うのが良いです。業務アプリで必要最小限な情報が載せられています。気を付ける点は、Flex Builder 前提で書かれてるところぐらいでしょうか。でも、仕事ならたいてい Flex Builder 使うことになるだろうので、あまり問題にはならないでしょう。

内容は、Flex の概要や基礎知識から Flex Builder のインストールや MXML, ActionScript について開発に必要な最低限の解説から始まり、サンプルアプリケーションの開発を通して Flex の各種コンポーネントやお作法の説明が続く。ここまでが第一章から第四章で、あとはそこまでの基礎知識をベースに実地で応用を色々と作っていくことになるでしょう。五章はサーバ連携で Java と BlazeDS について書かれている。ここも、とりあえずこれだけ書いてあれば最初は充分かな、という内容になっている。DB 連携に S2Dao を取り上げてるのにちょっとビビったけど、執筆陣見て納得。六章は AIR についてで AIR の作り方やローカルファイルのアクセスとか SQLite とかファイルのドラッグ&ドロップとか AIR 固有のことについて触れている。

本書の特徴は、以上のように業務アプリの文脈で Flex 開発に必要な最低限の情報が詰まっていることにある。加えて七章と八章も興味深い。八章は、いわば Flex の Tips 集で知っておいて損はない記述が色々とある。紙幅と本書の主題の関係上、そんなにページは割かれていないのだけど、色々と役立つことが書かれている。というか、この章に書いてあるような、いわば本書の次に読むべき情報がまとめられた Flex に関する書籍が欲しいところなんだけど……

残りの七章は、業務アプリに Flex を導入するにあたって考慮すべき点などについて議論を行っている。記述そのものは少ないんだけど、この案件は本当に Flex にすべきかどうか? のような要件定義に関わる内容や FlexJava の役割分担についての指針についての記述は参考になりました。七章についても、ここをもうちょっと突っ込んで、ベストとまでいかないまでもベターなプラクティス集みたいな形でまとめてる本が欲しい……

ここんとこしみじみ痛感するんですが、本書でも言及されてるんだけど、Flex & Java の開発は良いことばかりでもないんですよね。Flex クライアント側でも Java サーバサイド側でもやれるっていうのは、裏を返すと、どっちでやるのが適切かっていう新たな設計課題を生み出している。更にその設計ポイントにはトレードオフがついてまわるので、この状況ではどんなやり方が適切か? というのを常に考えてやんなくちゃいけない。これが中々しんどい。

サーバーサイド Java だけで完結してた時代に戻りたいなぁ、と弱音が出ないでもなく……こ……こんなに……悲しいのなら……苦しいのなら……





と言いたくなる時もあります。

Adobe Flex 3 & AIRではじめるアプリケーション開発

Adobe Flex 3 & AIRではじめるアプリケーション開発