ある日、ある友人とこんな会話をした。
「モモ? あぁ、モモっていったら しにがみのバラッド。かなぁー。マンガのほう も割と好きかなぁー。」
「花とゆめwwww せめて ミヒャエル・エンデ を連想してくれwwww」
とドン引き&呆れられた経緯を経てから買いました。本好きな人にはすっごい有名な本なことは、本書を買った後に知りました。常識知らずでサーセン。
本書のカテゴリーは、小学5、6年生以上向けの児童文学、の範疇に入るようだ。だが、それは子供向けという生易しい意味ではない。この本は「時間」というものテーマにした壮大なファンタジー小説だと思う。つまり、こどもが読んでもおとなが読んでも面白い。文章からにじみ出る世界観の深さに圧倒されたなぁ。人間は、時間というフレーズからここまで想像力を働かせることの出来るものなんだねぇ。
物語をそのまま読んでも面白いし、キャラクターたちの行動一つ一つを深読みしても面白い。モモとそれを取り巻くともだちたちと時間貯蓄銀行の灰色の男たちとのバトル物としてシンプルに読んでもいいし、時間に追われがちだとか何とか言われる現代人の生活を皮肉った小説として読んでも良い。
「作者のみじかいあとがき」も、物語終了後に読むとまた格別の味わいがある。ここに引用してしまおうかと思ったが、やっぱり止めたw 時間とは何なのか? 意味のあるようなないような、そんな疑問を持った人にオススメの一冊。科学的なアプローチで迫るのも悪くないけど、この本を読むのも悪くないかな、と思います。
- 作者: ミヒャエル・エンデ,大島かおり
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/06/16
- メディア: 新書
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