「モンスターペアレント」なんて単語が一般的なものになりつつある昨今、そんな現象が認知されるまでになった背景を読み解く一助になる一冊。
正直な感想を言うと、ここまで自己中心的な人間はホントにおるんかいな、と思ってしまった。本の性格上、かなりイッちゃった事例を中心に据えて分析しているからそう見えてしまうんだろうけど。うーん……子育てとなると、人間はここまで利己的になれるものなのか? とか考えてしまう。
時と場所が変われば生活の仕方は変わりゆくもの。極端な方向には走ってるなぁ、と思うことも多々あるけど、まぁこんなものかな、と思わないでもない。そりゃまぁ DQNネーム(子供の名前@あー勘違い・子供がカワイソ) 見るとドン引きですが。こどもの名前に 煮物 ってお前どんだけ……
本書によると、母親がモンスターな行動に走るのは、常に自分中心な考え方しか出来ていないからだ、と書かれている。自分を客観視するという視点が無いので、自分の行動は常にすべて正しいし、そうあらねばらない、と思い込んでいる。そして、そこには自分しかいなくて子供のことなど考えていない。DQN ネームなんてその典型例ですな。本書では、モンスターマザーたちが、そうなるまでに至ったであろう原因や歴史背景について筆者の考えがまとめられている。
男の俺とてしては、こうしたケースでは父親は一体どんな役割を担っているんだろう? と気になりつつ読みすすめていたわけだが……こういうこと書かれると結婚なんてしたくねぇーとか思っちゃうよw まぁこれもまた一ケースにしか過ぎないので、過剰に悲観的になる必要は無いんだろうけど。気になる人は p.184 からを立ち読みしましょう。
また筆者は、こうしたモンスターな行動よりもむしろ無関心な現象の方が問題なのではないか、と触れている。つまりは、親子で餓死、が突然(でもないのだが)見つかる、というケースである。モンスターな行動は現象として発露されるから、対処療法でも何でも手の打ちようがあるが、いきなり孤独死されてはそもそも手の打ちようがない、と。根が深いのは、むしろコチラの方ではないか、と考察をしている。
ジコチューって 2000 年の流行語大賞ベストテン だったんだ……と、なんとなく感慨にふけってしまった一冊でした。
- 作者: 石川結貴
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/11/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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