kagamihogeの日記

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横のつながりの価値

ここ 1 年ほどのことだが、俺は実家・名古屋へ帰省ついでに大阪の勉強会へ行くなどするということを 2 回ほどしている*1。俺は関東住まいなので実家の名古屋をベースキャンプにしているのである。先日、両親と興味深い会話があったのでそのときのことをネタにエントリを書く。

母親からすると自費で勉強会なるものに参加するのがとても不思議に思えるらしい。「勉強会って言うぐらいだから 100 人ぐらい来るの?」に「個人で開催してるのは 20-30 人くらいかな。バックアップとなるグループが大きいと 100 人集まったりするけど」にもかなり驚きなようだった。基本、個人がやっているものなので「参加費は大抵タダか飲み会費ぐらいなものだよ」というのにもびっくりしていた。「勉強会」という字面から受けるイメージはもっと大仰なものだわなw

どうやら「個人ベースの繋がり」という概念がアンマリ良く理解できてない様子だった。ただ「ワザワザ東京から大阪来るなんて、なんつーか楽しくやっとるようで何よりだわ」とか発言出るあたり「たのしいから、やる」的な価値観は理解できるようだ。

で、本題。そんな話の流れで、俺が「勉強会に行って、同じプログラマーでも働く場所や関わる業種、立場が異なる人の話を聞くと色々興味深いことがある」と発言したのだが、それに対して父親が「うらやましい限りだな」と言った。

俺の父親は、割と最近目出度く定年退職した警察官である。その父親曰く「警察というのは非常に閉鎖的な組織だ。国内に競合他社のようなものが存在しないから仕方無いのかもしれないが……このため、外部との接点を持つのがとても難しい。だから、勉強会のような形でカンタンに組織外の人間と話せる機会が持ててしまうのが、うらやましい」

父親の口癖は「民間じゃこんなこと考えられないだろ?」である。父親は、警察一筋というわけでなく民間企業で働いたこともあるので、閉鎖的な文化故の自浄作用の無さとか組織の硬直性とかが尚更に目に付いてしまうのだろう。しかし、父親は公僕という特性故に外部との接点を持つことがシリアスな事態に繋がりやすいことも良く理解している*2。たぶん、何かを変えたいと思った時期もあったのだろうと思う。ただ、退職した今では己はもう何も出来ないし、(恐らくは)結局何も出来なかったことを理解した上での自嘲と諦観混じりの発言なのだろうなぁ、と俺は感じた。

だからこそ、父親には blog 書いて欲しいんだけどなぁ……w 一般的な言葉や概念に置き換え・落とし込むことや、話せないことのほうが多いからムチャクチャ難しいのは分かるんだけどね。タブンこのエントリすら良い顔しないだろうしねぇ……w

まぁ俺の個人的な父親に対する思惑は置いておくとして。プログラマーは、勉強会やらコミュニティやらとか、ネットでカンタンに「組織の外」の情報が得られる。そりゃあモチロン偏ったり間違ってたりすることもあるし、安易なネット礼賛もオカシイとは思う。けど、少なくとも警察官の父親から「うらやましい」という純粋な言葉が出るくらいには価値があるものだと感じたのでした。

*1:http://d.hatena.ne.jp/kagamihoge/20080331/1206959844 java-ja 第六回関西 と http://cappuccino.jp/scala-ja/?Scala%CA%D9%B6%AF%B2%F1%A1%F7%B4%D8%C0%BE-2 Scala 勉強会@関西-2。後者もレポート書きたいんだけど……手付かず中

*2:最近は風当たりも強いしね