kagamihogeの日記

kagamihogeの日記です。

pukiwiki 導入日記

以前居たチーム(前チームと呼称)で導入した pukiwiki を今所属してるチーム(現チームと呼称)で共同利用することになり、俺以外の人間もそこそこ更新してくれるようになった。それまでにかかった時間は約 1 年と半年。それまでの軌跡などを振り返ってみる。

導入

俺は数年前から blog を書いていたこともあり wiki によるチーム内の情報共有の仕組みには興味があった。前チームでは、上司からデスマ収束に一役買ったこともありそこそこの信頼があった。そのため「pukiwiki 使ってみたいんすけど」というある種のワガママが通りやすかったのは大きなポイントだったと思う。

第 1 フェーズ 「チーム内に wiki を浸透」 導入〜半年後

導入当初は俺以外の人間はマッタク更新しなかったが、まぁそれは想定の範囲内。とりあえず俺は時間見つけては、前チームで必要な開発環境の整備方法、テスト環境に必要なソフトウェアのインストール手順、暗黙の了解状態になってるけど知っておかないとまずいプロジェクトの知識、自分が実装担当になった部分に関しての調査・作業メモ、ちょっとした Tips、などなど。「中途でこのプロジェクトに入ってきた人に役立ちそう」な情報を多めに書いたつもり。趣味に走ったドキュメントも多いけどw

「それ忘れそうだから wiki に書いといてくんない?」「wiki にまとめといたんで、見といてもらえます?」と地道に布教することで「wiki 結構イイね」という印象付けは出来たようだ。けれど、やっぱり書くことに対する抵抗は大きいようで、中々利用度は高まらなかった。

半年ぐらい経った頃、チームのメンバーに「プロジェクトに必要な開発環境の整備方法とかの『元から居るメンバーの誰かに聞けばわかるけどメンバーが入れ替わる度に説明しなきゃいけないこと』を見える形で保存しとくのって意外と大事なんだね」 と言われた。ドキュメント化することの重要さはわかってもらえたようだ。けれど、相変わらず wiki の更新は俺以外がすることはほとんど無かった。

ここで第 1 フェーズの「チーム内に wiki を浸透」は完了。更新する人は俺だけにほぼ限定されてたけど「wiki ってベンリね」ってのはわかってもらえたんで、まぁこんなもんかなと。

半年後〜 1 年後は特に動き無し。

第 2 フェーズ 「チーム間の情報共有に wiki を浸透」 1 年後〜 1 年半後

wiki 導入から 1 年弱経った頃に俺は現チームへ移籍。使用技術に重なりもあったので前チームの wiki を両チームで使おう、と主張した……のだが現チームの上司には受け入れてもらえなかった。セキュリティがどーとか、ネットワークがどーとかで。

現チームの上司が強硬な態度を取ってみせた(ように俺からは見えた)のは後になって理解できた(つもり)。俺は「使用する要素技術に重なりがあるから同一の wiki を使わない理由が見当たらない」「プロジェクト単位で完結する縦割りチーム構成では技術情報の共有がままならない」といった主張をした。が、これはあまり良い戦術とはいえなかった。なぜなら、直球過ぎる意見は早々簡単には通りはしない。特に 10 も歳が離れた相手ならばなおさらなワケで。まぁ……時には変化球や搦め手も必要なのだということなのだろう。この点については後述。

というわけで。俺はそういう手練手管には疎いし、現チームでの発言力も高くない状況だったので戦術変更。幸いなことに前チームの wiki にはアクセス可能だったので黙々と更新を続行。出来るだけ両チームに関係のある内容を書くようにしていたつもり。俺自身のガス抜きのため趣味に走った内容もやっぱりかなり書いていたけどw

また、「とりあえずページつくってみよう」「これだけの wiki 記法覚えればキレイなページが作れる」「てか他人のページをパクり改変すればおk」など、wiki を解説するページを作成。ねらいは、とにかく俺以外の人に 1 行でもいいから書いてもらって wiki への参入障壁を下げること。これはあまり上手くいったかどうかフィードバック得られてないのでわからない。

そうこうする内 wiki を導入してから 1 年半。ある日前チームの上司が現チームの上司に「似たような技術調べてるから同じ wiki 使いましょうか」と申し出。現チームの上司、快諾。ちょ、おま、数ヶ月前に俺が同じこと言ったときはああだこおだと理由つけて断りやがりましたのにw

でまぁ、あーなるほどね、と。前チームの上司から現チームの上司に働きかけてもらえるよう俺が動くのが正解だったわけですな。……結果としては地道に wiki 更新し続けたのが利いたわけだけど。むむむ。

でどうなったか。ここ最近は俺以外の人が更新するページがかなり増えてきた。ありがたやありがたや。利用者の母集団増えた効果が大きいんだろうなぁ……。ポジティブフィードバックがうまく動けば、更新する人増える→見てるだけの人も更新しだす→更新する人増える→……なわけで。

ここで第 2 フェーズの「チーム間の情報共有に wiki を浸透」は完了。みんなが更新し続けてくれるか、ページが増えた際の運用ルールどーするか、とか悩みどころはいくつかるけど、まぁフェーズ的には一応オワリ。ここまでにかかった時間 1 年半。長いとみるか短いとみるか……

第 3 フェーズ 全社的な情報共有の仕組み

実はこっから先はもうやる気無かったりするw メンドーだとかその時期まで俺会社にいんのかよとかまぁ色々言い訳はあるんだけど。2 チーム間を更に越えてあーだこーだするにはイチ社員の手には余るからねぇ。上手いこと味方増やして色んな人を巻き込めればいいんだろうけど、俺あんまり政治スキル高くないんでね……

また、更に問題点が 2 つ。

pukiwiki は 10-20 人以上の情報共有にはあまり向いてない気がする。あくまで感覚的にの話だけど。あーまぁ Eclipse Wiki みたく特定目的に特化した内容だけ扱う使い方するならともかくね。なので、複数の wiki 運用するか、別の wiki クローン探すか、はたまたより高機能ないわゆるグループウェアつーかナレッジデータベースっていうの? そういう別のツールが必要なのか……まーどっちにしろ考えるのがだるい……

もう 1 つは書くことに対して敷居高いと思う人のほうが大多数だということ。blog や twitter に色々晒しまくりなヒトってのはホント変態だと思うw 社内という閉じた空間であっても同じで、書く、ってことにみんな慣れてない。そのため、書くことは書いた本人にとってメリットになる、ということをどーにかして分かってもらわないと全社的な情報共有の仕組みはハリボテになるんじゃないかなーと。でもその実感って皮肉なことに書くことでしか得られないんだよねぇ……しかもある程度長期に渡ってやり続けないと実感沸かないし……まー地道に「書こうぜ書こうぜ」って工作員続けるしかないんかね。