kagamihogeの日記

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吸血鬼のひめごと 2

表紙と帯のあおり文句からしてとてもイヤな予感がしていたが……これは、ないわー。

再会という単語に正か負、どちらの感情を抱くかは人それぞれ。この単語は、俺には「懐かしき友との再会」のように、ポジティブな感覚を伴う文脈で使われることが多いように感じる。しかし、本書はマッタク逆の、傷跡を容赦なくえぐるが如き再会が描かれる。

俺にも二度と相対したくない過去が厳然として存在する。今となってはようやく思い出として昇華できた代物だが、そんなものが何の前触れも無く眼前に、それも無視することなど到底できやしないインパクトで現れたとしたら? 正面から戦うことができるかどうか、わからない。

あとがきにあるように、おそらくは作者が描きたいところもその辺りにあるのだと思う。ただ、前シリーズ 吸血鬼のおしごと―The Style of Vampires (電撃文庫) の読者としては、作者の登場人物に対する「愛」がとんでもないことは周知のこと。果たしてどんな凄惨な終わり方を見せるのか……期待と不安でいっぱいです。