いわゆる「群衆の英知」の有用性を、特にビジネスの視点から分析・評価した一冊。ビジネスの事例だけでなく、歴史上の出来事をはじめとして色々な分野の事例と絡めて説明している点がおもしろい。
集合知的な知恵を活用する組織形態を本書では「分権型組織」とし、トップと指揮命令系統がハッキリしている「中央集権型」と対比させた呼称を使用している。
こうした分権型組織の強みは、普段から web に触れている我々にとっては馴染み深い。wikipedia やオープンソースプロジェクト、ネットオークションや amazon 等のレコメンデーション機能…インターネット上にはこの手の事例は事欠かない。
ただ、普段からよく知っているだけに、なぜ分権型組織は強いのか?どうすればそうした組織が作れるのか?そうした組織のビジネス上の優位性は?といったことについて、俺はあまり考えたことなかったので、そのあたりが面白かった。
このテの本の類書だと 「みんなの意見」は案外正しい や ウィキノミクス になると思うけど、この 2 冊とも読んだことがないので興味深く読めた一冊でした。
- 作者: オリ・ブラフマン/ロッド・A・ベックストローム,糸井恵
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2007/08/30
- メディア: 単行本
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