書籍名が示すとおり、クルマやアリや人がどういった仕組みで「渋滞」するかを解説している。
解説の手法は基本的にセルオートマトンを用いている。なんかカタカナで書くと妙に難しそうに見えるけど、そんなに難しい概念ではないし、解説に使用する渋滞モデルはかなりシンプル。見所は、そういうシンプルな渋滞モデルから実に色々なことが読み取れるところ。
たとえば、踏切の前で一時停止するのは本書によると日本と韓国ぐらいらしいのだが、もし一時停止をしなくしたら、どのくらい渋滞緩和に役立つのか?という項がある。これに対しても実にカンタンなモデルから様々な角度の検証や考察がなされる。
その他にもアリの行列や、電車の区間調整のワケ、非常出口はどのくらいが適切な大きさなのか・・・といったトピックがある。これらについてもカンタンなモデルを基にした解説がされているのが面白い。
クルマの渋滞 アリの行列 -渋滞学が教える「混雑」の真相- (知りたい!サイエンス)
- 作者: 西成活裕
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2007/06/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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