kagamihogeの日記

kagamihogeの日記です。

ACE COMBAT 6 解放への戦火

3D フライトシミュレーションではなく、あくまで 3D シューティングゲームを追求し続けているこのシリーズ。1,2 作目でその基本形は完成しているにも関わらず、シリーズを重ねるごとに必ず進化を魅せてくれるのは驚異と言うしかない。今回はハードを PS2 から Xbox360 に移したことも手伝ってか、ほとんどの面でパワーアップを感じさせる、本当に素晴らしい作品になった。

テレビ CM などで美麗なグラフィックを繰り返しみた人も多いと思う。シリーズのファンである者ですらその変わり様に息を飲んだぐらいなので、あまりゲームに興味の無い人も惹き付けられた人は多かったのではないだろうか。

これまでのシリーズでは描画能力の限界もありそれほど派手な戦闘シーンにはならなかった*1が、今回は一人で戦っているわけではないことを強く意識させるほど精緻になっている。

例えば、少し戦域を離れて俯瞰してみれば、敵味方の戦闘機が入り乱れての戦闘機動が複雑な飛行機雲を描き、戦闘車両や機動艦隊の砲火や爆撃の煙たなびくのが見える。また、支援攻撃を要請すれば彼らが一斉に眼前の敵を殲滅してくれるのを間近に見ることが出来る。

グラフィック面でド派手になったこともあり、今回はとにかく弾を使いまくってガンガン破壊してくのが良い。EASY や NORMAL ならまず弾切れすることはない、ミサイル装弾数 が 100 や 200 はフツウなので、最初はバシバシ破壊して爽快感を味わうのが良いのだろう。特に初心者の内は上手く飛ばそうとか考えずに目の前の敵を破壊しまくっていくのが良いのではないだろうか*2

当然、プレイヤーは他の味方や敵とは桁違いの活躍をすることになるのだが、シナリオ面でもそれは反映される。少しずつ、だが確実に、味方には頼れる存在になり、敵には恐るべき存在になっていく。それはまさしく「エース」であり、シリーズでずっと受け継がれてきた伝統のシナリオスタイルでもある。

今回はそれに加えて群像ドラマでもある。主人公(=プレイヤー)と道が重なり合う者もあれば、間接的に影響を与える者もあり。一つの戦場を複数の視点から追いかけることで物語に深みが出ている。一人一人に割かれる物語の分量は確かに少ないが、文脈を読ませるには充分な量であり、ZERO で残念がられたシナリオ面の弱さは完全に克服できていると思う。

そして、グラフィック・シナリオとリンクした演出がまた泣かせてくれる。終盤ミッションで友軍が来たときに声を上げた人間は少ないないに違いない。エリア 88 のブラキア空軍救助 - セラ・キム単騎脱出シーンでの「エリア 88 見参!」を思い起こさせるシーンだった。

音楽もまた相変わらず素晴らしい。飛行場に離発着時、戦域離脱〜再突入、トンネルに突入したりすると音量やピッチに緩急がつく。これも演出の一環で、確か 4 辺りからの伝統だと思うが細かい調整も随分出来ているな、と感じた。

よく、今時のゲームはグラフィックだけと揶揄されることがある。しかし、ACE COMBAT 6は、グラフィック・シナリオ・システム・演出・音楽・・・本当にすべてが調和した、素晴らしいゲームだと思う。

エースコンバット6 解放への戦火

エースコンバット6 解放への戦火

*1:とはいえソレは今と比べてのことで、各シリーズが出た当初は衝撃的なグラフィックだったのだが

*2:そして臨場感溢れまくりのフライトスティック最高ですよ!