kagamihogeの日記

kagamihogeの日記です。

高齢者にはまだまだパソコンは難しい

MS、“生活に密着したIT”を教える初心者向け講座

検定試験はどうなのよ、って気がしないでもないがその取り組み自体は評価したい。

先週の日曜にこんなことがあった。俺が住んでるアパートは隣に大家さんが住んでるんだが「パソコンの操作がわからないので教えてほしい」とかなんとかでやってきた。孫だか親戚だかが送ってきた DVD が見れないらしい。お分かりのとおり、この大家さんはとっくに定年してるご夫婦である。DVD の送り主はどうやら海外に住んでるらしく、ホームビデオを寄越してきた様子。

内心では(…DVD って規格がたくさんあってよくわからんのだよなぁ。 R に焼いたようなヤツだとドライブ対応してないんかなぁ…いや、最近の PC なら大抵マルチドライブだろうし…)とか考えつつ、大家さん宅へお邪魔する。

手渡された DVD は 2 枚。いずれも「DVD-R」と書いてあった。ふむ…とりあえず動かしてみるか、とドライブにディスクを入れるとチャプターメニュー(たぶんこれの Deep Blue)が表示された。チャプターメニューをクリックすれば当然ビデオは見れるのだが…

「パソコンにディスク入れてもいつまでたっても始まらないのよ。ビデオが壊れてるのかと思って」…なるほど。確かに、チャプターメニューをクリックすると再生する、という概念は難しいかもしれない。とりあえず「ココをポチッとやると再生するカラクリになってるんですよ」と教えることで解決。

次はもう 1 枚の方。こっちも「パソコンにディスク入れてもいつまでたっても始まらないのよ」とのこと。で、このディスクを入れてみると、映画の DVD のようなタイトル一枚絵が。そして、その背景とまぎれるように Play と Chapter というボタンが。これも「ココの Play をポチッとやると再生する仕組みになってるんですよ」と教えることで解決。…いやしかし、夕日?をバックに黄色の字で play じゃそりゃワカランて。「→再生」みたいに三角マークもないし。

とりあえず、ビデオテープを入れて再生ボタン == DVD を入れてチャプターメニュー or play ボタンをクリック、という説明で一応は納得してくれた、と思う。しかしまぁ、意外なとこでつまづくものなのだなぁ、と純粋に驚いた。

が、驚きはまだまだ続く。

2 枚目を見てた大家さん「画面が動かないわ。やっぱり壊れてるんじゃないの」と。ディスプレイを見ると、親戚と思しき人たちの静止画像がスライドショーで流れている。ちなみに、1 枚目は可愛らしい赤ちゃんがハイハイしたり歩いたりしてる動画だった。

同じ DVD なのに 1 枚目は画面が動いてるけど 2 枚目はぜんぜん動きがないから壊れてるんじゃないか、と思われたらしい。「2 枚目は、写真機で取った写真を順々に流してるようなものなんです。要はアルバムですね。アルバムのページを 1 枚 1 枚めくるのを、パソコンが代わりにやってくれてるんですよ。1 枚目はテレビで流れてるようなふつうのビデオですね」といった説明で「DVD っていろんなことが出来るのね。私もやってみようかしら」と納得してくれた。さすがに動画のエンコとかは教えられる自信がありませんがw

ウチの両親に PC の操作を教えるときもそうなんだけど、我々のように慣れきった人種からすると想像もつかないとこでひっかかる。それ自体は―俺も年食ったら同じ状態になるんだから―そういうもんだと思うし、ユーザビリティの観点からも非常に興味深い。

“生活に密着したIT”が、こういうところまできめ細かくやってくれないかなーと期待しているのでした。